石川祐希さんの本/初自叙伝「頂を目指して」を読んで・読書感想・魅力など

読書ノート

石川祐希さんを知ったのは、
2019年のワールドカップのとき。

それ以降、
試合を観に行ったりしながら
応援しています。

この度、
徳間書店さんから出版された
石川祐希さんの初自叙伝
「頂を目指して」を読みました。

石川祐希さんは
男子バレーボール日本代表キャプテンとして、
またイタリアセリエAでプレーする
プロバレーボーラーとして、
人気と実力を兼ね備える一流アスリート。

大好きなバレーボールに
真摯に向き合う姿、その生き方に
尊敬と憧れを抱く人は多いと思います。

石川祐希さんが
これまでの歩みを振り返りながら
本心を語っている本。

本を読んで感じたことや
私が思う石川祐希さんの魅力などについて
記してみようと思います。

石川祐希さんは
自分の生き方を通して
多くの人に勇気や気づきを与えられる人だと
私は思っています。

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好きなことを全力で

僕はいつだってバレーボールが大好きで、バレーボールをしているだけで楽しいけれど、目標を成し遂げることができたこの喜びは、何物にも代えられないぐらい最高のものだった。

プロローグ より

石川祐希 選手は
ストイックにバレーに取り組むことで知られていますが、

それができるのも
心からバレーボールが好きだから。

いや、でも、そこまで好きなのかと
驚くレベル。

そこが石川祐希さんの最強ポイントであり
羨ましい部分でもあります。

好きなことに全力を尽くす。

その楽しそうな姿や
結果を出して喜ぶ姿に私たちは共鳴し、
自然にこちらも笑顔になっている。

好きなことを極めて生きる、
その姿にみんな惹かれるのかもしれない。

直感でチャンスをつかむ

もともと僕は、何かを決めるときに即決できるタイプではなく時間がかかる。

(中略)
心の中では答えをもっていてもどちらかといえば慎重なので・・・

第4章 コート内外で広がる世界

そんな風に自己分析をする石川祐希さんが、
イタリア・モデナの話がきた時には即答即決する。

運命を変える出来事。

まさに川上から
大きな桃が流れてきた。

「行ってみたい」というシンプルな思いに従い
チャンスを逃さなかった。

よくわからなくても
その大きな桃を拾いあげたのだ。

慎重に考えながら
直感でも行動できる人。

「今」にフォーカスする

「今」にフォーカスし全力を尽くすことで
次の扉を開け着実にステップアップしてきた人。

「今」に集中する能力は
現地観戦でも感じます。

2023〜24シーズンのイタリアセリエA
プレーオフ3位決定戦はミラノでの最後の試合だった。

自分は去ることになる来季のミラノに
クラブ史上初の3位という結果と
チャレンジカップ出場権を残した石川選手。

MVPの活躍で
「今」に全集中している その姿には
凄まじさ、凄みさえ感じるものがあった。

「今」にフォーカスする能力、
意識の使い方も一流だと感じます。

負けず嫌いの覚悟

僕は単純に負けるのが嫌いだ。

勝つためには、自分が打って決めるしかない。そう覚悟を決めて、聡太に言った。
「全部(トスを)持ってきて」

第3章 星城高校での3年間

全責任を引き受ける覚悟が必要な言葉。

勇気がいる言葉。

そして
自分への信頼があるからこそ言える言葉。

石川祐希さんは
「全部(トス)持ってきて」
と言える人なのだ。

なぜキャプテンをするのか

小学生のとき、目立つのが嫌いで
キャプテンになるのが本当に嫌だったという。

今は、自ら望んで
日本代表キャプテンをしている。

なぜか?

そこには
大学時代に後悔した時の想いと
深い関わりがあった。

キャプテンであることで
自分の想いや考えを表現したり、
パフォーマンスを最大限に発揮できる人なのかもしれない。

そしてそんな自分を
よく知っているのだと思う。

自己コントロール・誠実さ

僕は日本代表のキャプテンである以上、僕の振る舞いや行動は、イコール、日本の男子バレーの代表でもあるという自覚がある。

(中略)
自分の行動が将来を担う選手たちの行動にも影響があると、身を引き締めて、これからも真摯に向き合っていきたい。

第9章 頂の景色を求めて

昨年のオリンピック予選で負けた試合のあと、
日本代表キャプテンとして
インタビューに応える姿が印象に残っている。

まさかこの試合、この展開で敗戦?
と誰もが感じる試合のあとだった。

この厳しい状況で
落ち着いてメディア対応をしている姿には
心打たれるものがあった。

この文章を読むと
こういった明確な想いがあってのことなのだと
改めて理解できる。

イタリアセリエAの試合のあと
最後までファン対応されている姿を
何度も見てきた。

フルセットで負けて
精神的にも身体的にも
疲れていて早く帰りたいだろうな
と思われる試合の後であっても。

自己コントロール力と誠実さ、
そしてプロ意識の高さを感じます。

会場にいるとイタリアの方に
「YUKI はいい選手だ。」
「YUKI はミラノに残るべき。」
と声をかけられることがあった。

「石川選手は優しいんだよね。」
そう話す日本人男性もいた。

プレーで認められ、
その人柄で愛されている人。

「安定」と「自由」そして「本心」

選手生活は一生続くものではなく、時間も限られている。だからこそ、いちばんは、自分がどうなりたいか、どうしたいかだと思っている。

第7章 人生の決断と気づき

「自由」を選ぶとはどういうことなのか、
やりたいことをやるためのマインド、
覚悟をもって取り組むとはどういうことなのか・・

石川祐希さんの考え方が
本書を読むとわかります。

最悪の事態も想定したうえで選んだ「自由」なのだと
ハッとさせられます。

パイオニアとして歩んでこられた石川祐希さんの
人生の岐路での考え方、
決断の仕方がわかります。

実践者のメッセージ

人生は一度きりだ。正しい、正しくないではなく、やりたいことをやろう。そのために自分はどうあるべきかを考えながら。

第7章 人生の決断と気づき

自分と向き合い、
イタリアでひとり自分と向き合い、
やりたいことをやってきたからこそ言える言葉。

来季のペルージャへの移籍も
自分の本心に誠実に決断した結果なのだろう。

自分を裏切らない人。

実践者だからこそ
届けられるメッセージがある。

「世界一」のステージへ

イタリアセリエAで
トップ4のチームに入り、
主軸として活躍する。

私が石川祐希 選手を知ったころ、
具体的目標として
そう言われていたと記憶している。

今では自らが主軸の所属チームを
トップ4に押し上げた。

そして来季からは
イタリアセリエA最強チームとも言える
ペルージャでの試合が待っている。

日本代表も
メダルに届く場所まできた。

いよいよ次のステージへ。

頂を超えるか、超えないかは自分次第。その力は、十分についてきたと、実感している。

第1章 世界最高峰のリーグで

本書には
自らを冷静に客観視し、
粘り強く歩んできた軌跡が記されている。

とうとうここまできた。
頂を超えるときがきた。

だから、あとはやるだけだ。
覚悟をもって、すべてをぶつける。

第9章 頂の景色を求めて

まとめ

石川祐希さんのバレーボール人生。

その経緯をたどりながら
時々の想いが語られていた。

この本を読んで感じたのは、
指導者の考え方や言動が
子どもに大きな影響を与えるということ。

多角的、専門的視点を持って
健やかに子どもたちの成長を見守る責任が
大人にはあるということ。

指導を受ける側の想いや体験が
書かれているいる本でもあった。

それらを必要とする
バレーボール関係者にメッセージが届きますように。

本書を読むと
石川祐希さんがいろいろな葛藤を経験しながらも
一歩一歩スッテプアップしていく様子が描かれている。

意識が変われば言動も変わる。
人は日々変わっていく。

そして変わらないものもある。
バレーボールへの情熱だ。

イタリア語は覚えたか、ラティーナはどんな印象があるかなど、いろいろな質問を受けたが、「どんな選手になりたいか」と問われ、僕はこう答えた。

「世界ナンバーワンのアウトサイドヒッターになりたいです」

第1章 世界最高峰のリーグで

バレーボールへの情熱をもち続け、
挑戦し続けた石川祐希さん。

今、その時を目前にしている。

いよいよ始まる新しいステージ
私たちも楽しみにしています。


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